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映画 「ダンサー」セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣(ドキュメンタリー映画)

1989年、ウクライナの貧乏な家庭で生まれて、6歳から体操を、9歳でキエフの名門バレエ学校に、13歳、単身イギリスロイヤルバレエ団へ入学。家族は彼の授業料を稼ぐために、祖国から出稼ぎ労働者になり彼を支える。しかし、その後両親は離婚、家族はバラバラに。その後セルゲイは、19歳でプリンシパルに、均整のとれた肢体、美しい容姿、しなやかな感情表現、高い跳躍力は、観るものすべてを感動の世界に誘う。

 

しかし22歳で名門バレエ団を突然退団。彼は言う、「トップになりさえすれば、家族を出稼ぎ先から祖国に帰せるだけの十分なお金が手に入ると信じていたのに、全てが打ち砕かれてしまった。」なぜなら、彼の契約は更新制で、労働ビザはケガやクビになったら、即国外退去。

 

多くの努力と犠牲を払って手にしたプリンシパルの地位。狭い世界に生き続け、子供時代がなく、成熟した大人になれなかった彼の精神状態は、プレッシャーに耐えられなかった。ドラッグを支えにトップダンサーを続ける。それまでしてもなお、「バレエ界で自分はなぜ幸せじゃなかったのか?」と、最後のダンスにしようとした「Take Me to Church」を見て自分の考えを変えたという。このMVは、2000万回再生された。