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3月に観た映画

2016/3/16 「女王陛下のお気に入り」2018年 アメリカ・アイルランド・イギリス制作

 18世紀初頭のイギリス。女性3人の愛憎劇。登場人物は、アン王女と幼なじみで賢い女友達の側近サラ・チャーチル、そしてサラの従妹アビゲイルの日常の出来事。

そこはそれ、地位は高いとは言え、専業主婦の井戸端会議に似てもいて、立場が違えば、発言も命にもかかわることも。アビゲイルは召使から上流階級へ、様々なからめ手を使い這い上がるガッツのある陰謀家になる。男も女も権力って、大好きな道具。お気に入りの17匹のウサギが出演。ふふふ。みんな女王の愛玩動物、みんな召使。ウサギは繁殖動物の裏主演、性的なにおいがぷんぷん。豪華な衣装と舞台がうらがなしい。

 

2019/3/16 「ギルティ」2019年 デンマーク 88分

 場所は、警察のコールセンター「はい、緊急ダイヤルです」と落ち着いた声で映画が始まる。カメラはこの部屋を出ない。観客は、映像と音でイメージを膨らませ主人公と状況をシンクロさせる。映画館では、ポップコーンを食べる音もしない。ラジオドラマみたいだ。感情移入できたのは、主人公が優秀らしきこと。イライラさせて、想像を途切らせなかったこと。また美男子であることも、想像を途切させない要因としてあったかも。

映像とシナリオ。映画が終わって、頭の中の映像がすべて想像の産物だったことに驚く。「病院の医師」と言ったら、男性の医者をイメージする、ステレオタイプの発想を考えさせられた。「seach」に同様に興味深い映画で☆4つ。

しかし、指の絆創膏が汚いのが気になった。なぜ?残念だったのは、新宿M館、今回、座席の前の人の座高が高く、頭の影でスクリーンの文字が全く読めない。半立ち姿勢で見たが、もう次はいかない。

 

2019/3/17 「運び屋」(The Mule) 2018年 アメリカ 116分

 映画館は、土曜日なのに半分も埋まっていない。

「90歳の運び屋」「ニューヨークタイムズ」のニュースからヒントを得た作品らしい。主人公は、経営していた農園が倒産して、借金だらけの人生。。。そして年齢は90歳。

ず~と仕事だけしか考えてこなかった年寄りの男は、ふつう何を考えるのだろうか?と頭を巡らせてみた。将来設計とか考えない?それに、その年になる前に、差押が来る前に何か考えない?ところが、この男は考えない。客観的に年寄が楽に大金を稼げる仕事なんてあるわけがない。危ないことをやらされた挙句、金も命もなくなるっているのが現実的だと思うのだが、「鼻歌を歌いながらコカインを運んだり」「似合いもしないブレスレット」を買ったり、「お金で時間は買えない」とかいうけど、きょうびの中学生だってわかる理屈。年寄が希望を持てる映画を期待していたのですが、そんなうまくいくはずもないことの連続。

 

2019/03/22 2人の女王(Mary Queen Of Scots)2018年 イギリス 124分

  メアリー・スチュアート、スコットランド女王。メアリーは、スコットランド王ジェームズ 5世とフランス貴族王妃の子供。エリザベスは、庶子であるため王位継承に不当性を唱える。このメアリー女王の聡明で美貌にも恵まれて、地位も結婚も子供も産んでというと、幸福な人生を送ったのかと思うが、ところがエリザベス女王に、20年間城に幽閉された。そして、悲惨にもギロチンの露に消えた。スコットランド女王対イングランド女王、王位継承権はどちらにあるのか?つくづく、高貴な生まれの払う対価の大きさに目がくらむ。そして、権力を得ることと引き換えに持っているもの全てを差し出す。つくづく、庶民に生まれた幸せを思える映画。