4月に観た映画

2019/04/03 グリーンブック 2018年 米 130分 

 1962年 今から57年前の実話を元にした物語。宣伝チラシの車のデザインが懐かしい。

主人公は、黒人天才ピアニスト。まだまだ人種差別が激しい南部のコンサートに出かけるにあたり、粗野なイタリア系の用心棒兼運転手を雇った。題名にもなったグリーンブック(黒人専用ガイドブック)は、黒人に宿泊できる所が限定されていた当時の差別の象徴。ガサツな性格の運転手のトニー、無学だけど、人としての尊厳を大切する。妻のドロレスは優しくて賢く、人を差別しない人間。そして、孤独なピアニストと三者が程よいリズムのヒューマン映画。トニーは愛するドロレスに長い旅の途中でピアニストに手伝ってもらいながら手紙を書く。このあたりがとっても泣かせる。

 

2019/4/17 パッドマン(5億人の女性を救った男) 2018年 インド 137分 

 この作品のモデルになったのは1962年インド生まれの男性。

男性が、女性の生理用ナプキンの話をするのは、いまでも、憚られるのに、2001年の頃

に実際にあった話。以下はネタバレになるので、観ていない人は読まないでください。

 

彼は、新婚生活を送っていたとき、愛する妻が生理中に「古布」を使っていたので、市販のナプキンを買ってプレゼントしたところ、「高額すぎて、牛乳が買えなくなる」と言われ受け取ってくれない。(実は、その時代のインドでは、生理用ナプキンを使っている女性が2割満たない。不衛生で感染症になる女性も多いという。)そこで、彼は妻が病気になるのは困ると、安い生理用ナプキンを作ってプレゼントすれば受け取って貰えるとだろう思って、ナプキン製造機を作ることを思いつく。

さて、映画に出てくる2001年頃の「生理用ナプキン55ルピー」というのはどの位の物価感覚なんだろうか?その頃のインドの外食は、大体1食20~30ルピーくらいだそうだ。

つまり2食分、さしずめ日本だったら庶民の外食5百円×2=千円位もするのだろうか?

ちょっと庶民には、手が出ない金額の気がする。

 

最終的に、多くの困難を克服して、彼は、生理用ナプキンを通常の販売価額の3分の1の低コストかつ衛生的なナプキン製造機の発明をした。2014年は、アメリカタイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に、2016年にはインド政府から褒章が授与された。

 

2019/4/20 バイス 2018年 アメリカ 132分 アダム・マッケイ監督

 この映画のモデルは、アメリカの政治家「ディック・チェイニー」2001年ジョージ・W・ブッシュが大統領となり、彼は副大統領となった。 タイトルの「vice prezidento 」は、副とか代理の意味だが、単独では「悪徳、悪玉」という意味があるそうだ。

この「ディック・チェイニー」は、若いときは田舎者の電気工で、飲んだくれのろくでなし。この男が副大統領になるサクセスストーリー?妻からの「このままだと離婚する」の一言でガラッと人間変わるもんなのか?どれだけの能力と努力をしてきただというプロセスがわからない。石油企業のCEOになれるものなんかいな?疑問はつきない。

 

そして、9.11以後の世界を巻き込んだ嘘は彼が原因。「何故?」が噴出します。その信念は「世界を守るためにアメリカは強くなくてはならない」それも嘘?「大好きなのは、権力と蓄財」。ブラック・ユーモアが一杯で、出演者がそっくりさんばかりです。ご期待下さい。この監督の以前の「マネーショート 華麗なる大逆転」は、面白かったなぁ。 

 

2019/4/23 12か月の未来図(英語題名 The Teacher) 2017年 フランス 107分 

オリビエ・アヤシュ=ビダル監督

 フランスの名門校の教師フランソワは、金持ち家庭で育ち、優秀なエリートで鼻もちならない性格だ。しかし、ある時、美人の前で、格好いいことを言って引っ込みがつかなった発言がきっかけでフランス郊外の悪ガキの問題校で教えることになった。

なぜかこの教師が郊外に行くと生徒に好かれる。彼は、変わった?優秀なのね!

この教師は、マリハナ入りのお菓子を食べさせられたり、数々の困難にもめげずに、子供たちから信頼を得る。勉強する楽しさを教えられるのは、教師の質の問題なんだろうか?問題校の教師の1人は、「こんなクズ達に安月給でやっていられない」と暴言を吐いたが、この教師は、給料が沢山になったら、良い教師になるのだろうか?しかし、授業をいつも、妨害されたら教師だってやだよね。。。

生徒役の子供たちは、演技初体験でとても自然。バックの音楽がソウル音楽で良かった!