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7月に観た映画

2019/7/12 「新聞記者」角川シネマ有楽町 藤井道人監督 2019年 日本 113分

 エリート官僚の最後の口の形は「ゴメン」なのか。押し付けがましくない若い女性記者がとても良かった。政治的な映画は、つい正義を声高に叫ぶが、高圧的な情熱はもう沢山。今の時代には、鬱陶しい。金曜日の有楽町駅近くの映画館。ほぼ9割もの観客で埋まる。近くの新聞社の人か。「誰よりも自分を信じろ!そして誰よりも自分を疑え!」「内閣情報調査室」って?「7月21日に選挙に行こう!」

 

2019/7/19 「GIRL/ガール」ルーカス・ドン監督 2018年 ベルギー 105

 15歳のトランスジェンダーの女の子ララ。ポスターでは、顔が半分しか写されていない。読書や映画の世界は、自分が想像出来ない境遇に投げ込まれて、その世界を追体験できる。価値観のバイヤスが広がるのが楽しい。

 ララは、バレエダンサーになる夢を持っている。父親は2人の子持ち、シングルファザーでタクシー運転手だ。子供は、他に8歳の男の子がいる。女の子の夢を叶えるため、有名なバレエ教室の近くに引っ越す。そのため、弟は転校し、父親は、仕事を変える。だけど、彼女は誰に対しても心を閉ざす。理解者がいない。悲しい。

 

2019/7/31 「田園の守り人たち」2017年 フランス・スイス合作 135

 美しい絵画のような映像、農民は、過酷な労働に疲れているのに、忙しいから昼ご飯は、立って食事をする。それでも、風景はなぜか懐かしい。第1次世界大戦の1915年から1920年の5年間の物語。戦争に駆り出されて、男手が無い農村で、女手だけで農業を営む。主人公は、自分の家族だけが大事。自分の土地が大事。美しい大地に傲慢な性格。よそ者につらくあたる。守るべきものがある女は強い。

最後に、正直者で働き者なのに、ひどいめにあったフランシーヌの美しい歌声が救いだ。

映画館は、冷房が強く、ストーリーが緩慢なのに、眠ることさえできない。